ご挨拶
皆さまは、“肺の手術”と聞いて、どのようなイメージを持たれますか?「手術となるとなかなか退院できない」、「仕事に復帰できない」、「高齢では手術に耐えられない」と、考えられていた時代もありました。しかしながら、体の負担を減らせる“胸腔鏡下手術”や、肺の切除範囲を減らせる“区域切除”など積極的縮小手術の普及により、状況は随分と変わってきております。看護師、リハビリ、薬剤師、栄養士等、多くのスタッフのチームワークの下、早期離床を目標に術後管理に取り組むことで術後の合併症も減ってきており、最近では80才以上の方の手術は珍しくなく、お元気な方であれば90才以上でも手術を受けていただくこともあります。
当科は、地域の皆様のお役に立てるよう使命感を持って、日々の診療に携わっております。以下のような疾患でお困りの方がいらっしゃいましたら、どうぞご相談ください。
診療内容
呼吸器外科では胸部における心臓と大動脈以外の疾患を治療対象としています。具体的には肺、気管・気管支、胸膜、縦隔、胸壁、横隔膜といった臓器が対象です。これらの臓器に発生した悪性、良性の腫瘍性疾患、自然気胸、膿胸、縦隔腫瘍、胸部外傷などに対する外科的治療を担当しています。
主な疾患
- 肺腫瘍(原発性/転移性肺癌、良性腫瘍)
- 気胸(自然気胸、続発性気胸)
- 感染性疾患(膿胸、限局した非結核性抗酸菌症、など)
- 縦隔腫瘍(胸腺腫、奇形腫、神経原性腫瘍、など)
- 胸部外傷(肋骨骨折、血気胸、肺挫傷など)
当科の特長
南加賀医療圏で唯一の呼吸器外科
全身麻酔下の手術件数は年間100-120例程度あり、その半数以上が原発性肺がんに対する手術です。当院では、呼吸器内科、放射線科、病理診断科の医師とも連携を取り、ひとりひとり、病状や生活状況なども考慮して、最適と思われる治療法を提案します。肺癌症例においては、腫瘍細胞の遺伝子異常を網羅的に検索し、集学的治療が必要な症例に対しては、最新の化学療法(分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬など)や、放射線療法を含めた複合的な治療を行っております。
患者さんに優しい低侵襲手術
手術に関しては、積極的に胸腔鏡手術(VATS:Video Assisted Thoracic Surgery)を行い、患者さんの身体への負担を少なくするよう努めています。また、2024年春頃よりロボット手術を導入予定です。
綿密な治療計画のもとでの肺がん治療
これまでは、肺癌症例に対する標準的な切除範囲は“肺葉切除”でした。しかしながら、最近の報告では、2cm以下の末梢型でリンパ節転移のない肺癌症例に対しては、より切除範囲の小さい“区域切除”の方が、むしろ予後が良いことが示されました。区域切除において必要十分な切除範囲を設定するためには、症例ごとに肺の中の血管や気管支の走行を詳細に評価する必要があります。当科では、3D-CTにより症例ごとに必要十分な切除範囲を綿密に設定して手術に臨んでいます(図:3D-CT)。
医師紹介
たなか ゆうすけ
田中 雄亮
役職 | 医長 |
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専門分野 | 呼吸器外科 |
資格 |
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ふじい ゆうみ
藤井 佑美
役職 | 医師 |
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専門分野 | 呼吸器外科 |
外来担当医表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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田中/藤井 | 田中/藤井 |