PXとは
PX(patient experience, ペイシェント・エクスペリエンス)は、患者中心の医療を実現するためにイギリスで生まれた考え方です。
日本語では「患者経験価値」と訳されます。
PXは、「患者が医療サービスを受ける中で経験するすべての事象」と定義できます。
具体的には「患者が受診してから(入院してから)治療が終了するまでの経過中に、病院で受けたサービス(医療、看護、介護や、環境などを含めた受診・入院にかかわる全ての事象)に、どのような価値を感じたのかを評価する指標」ということになります。
今までの評価である患者満足度(PS、patient satisfaction)との違いは、PSは患者の期待と実際とのギャップの結果を測るのに対して、PXは、患者がいつ、どこで、どのような経験をしたのかのプロセスを測定します。
PXが向上することによる患者のメリット
- コミュニケーションの改善:病院スタッフと患者とのコミュニケーションがスムーズになり、患者は自身の状態や治療についてより明確に理解できるようになります。
- 治療計画の遵守の向上:患者が病院スタッフと良好な関係を築くことで、治療計画への遵守が向上し、治療の効果が向上する可能性があります。
- 治療成績の改善:患者が積極的に治療に参加することで、治療の成功率の向上や健康な状態を維持できる可能性が高くなります。
- 患者満足度の向上:PXが高くなることで、病院や医療提供者に対する満足度が向上し、今後の医療ケアに対する信頼が築かれます。
PXが向上することによる病院のメリット
- 患者の信頼度の向上:PXが高いと、患者が同じ病院を選び続ける可能性が高くなります。そのため病院は患者数の維持や増加につながります。
- 評価の向上:PXが高いと、患者の病院に対する評価が向上します。良好な評価は新規患者の獲得につながり、地域コミュニティや医療業界における病院の信頼性を高めます。
- スタッフ満足度の向上:PXの向上は、スタッフのモチベーションや満足度を高めることができます。満足度の高いスタッフは、より良い医療サービスの提供に貢献し、病院全体の効率性や品質を向上させます。
PX向上の目標
患者にとってのメリットと、病院にとってのメリットはお互いの良い循環を生み出します。
この好循環により、患者・病院のお互いにとって、より良い病院を目指していきます。