ご挨拶
精神疾患は決して珍しいものではありません。もともと精神的な問題がない方でも入院中に調子を崩し、意識が朦朧としたまま落ち着かなくなったり、気分が落ちこんだりすることもあります。精神科の治療のためには、しっかり話しあったうえで的確に診断し、必要に応じて薬を使うことも大切です。もちろん話しあいや社会的な調整も大事ですが、そのうえで薬をうまく使えば劇的に症状が改善し、治療を続けながら社会復帰できる場合が数多くあります。一方で現状維持にこだわるなど、恐怖感、嫌悪感から適切な治療に結びつかず、治せる症状が治らないままになっている方も大勢います。なるべく希望に沿った形で、より良い治療選択肢を提案したいと考えています。
診療内容
主に平日の午前中に外来を行っています。日によっては混雑していることがあるので御注意ください。救急で来られた患者様など緊急の場合については平日の日中に対応しています。また火曜と木曜の週2回は臨床心理士によるカウンセリングも行っています。金銭面など社会的な問題についてはソーシャルワーカーなど各スタッフ間と連携しながら治療しています。外来のすぐ近くにはデイケアの設備が整っています。
入院中の精神的不調や、精神科通院中の方が入院した場合については、状況に応じてリエゾンという専門スタッフのチームが関わって治療しています。現在、精神科病棟が整っておらず、より専門的な入院が必要な場合は他の精神科病院に紹介します。
主な疾患
うつ病、不安障害、双極性障害、統合失調症、認知症などを代表として様々な精神疾患全般の治療を行っています。アルコール依存症、摂食障害、子供の症例については必要に応じてさらに専門的な病院に紹介することが多いです。
火曜の午後には通院を目的としない物忘れ外来を行っています。認知症の疑いについて、継続的な治療は必要としないが現時点での状態を判断してほしい、といった状況で他の病院から紹介されます。頭部MRIと採血など簡単な検査を行います。
医師紹介
とうごう たいへい
東郷 泰平
役職 | 医長 |
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専門分野 | 精神科 |
資格 |
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うばうら かずた
姥浦 一太
役職 | 医長 |
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専門分野 | 精神保健指定医 |
外来担当医表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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初診 | 東郷 | 姥浦 | |||
再診 | 東郷/姥浦 | 姥浦 | 姥浦 | 東郷/廣澤 | 東郷 |
診療実績
2022年外来およびリエゾン 延べ人数 9449人
全体 主病名のみ
気分障害(うつ病、双極性障害、気分変調症など) | 36% |
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統合失調症 | 24% |
不安障害およびパニック障害 | 19% |
認知症 | 14% |
精神遅滞および発達障害 | 4% |
依存症 | 2% |
リエゾン
せん妄および認知症に重なったせん妄 | 40% |
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不眠症 | 13% |
認知症 | 10% |
うつ病 | 9% |
不安障害 | 7% |
アルコール関連 | 5% |
統合失調症 | 4% |
摂食障害 | 3% |
自殺企図 | 3% |
双極性障害 | 2% |
連携病院・開業医の先生方へ
精神科常勤医1名および金沢大学附属病院医局からの派遣によって外来を中心に業務を行っています。また火曜と木曜の週2回は臨床心理士によるカウンセリングが行われ、デイケアや訪問看護ステーションを通じて地域の精神科医療を担っています。
当院は南加賀地区で精神科を有する総合病院として重要な拠点です。精神科認定看護師、作業療法士が関わってリエゾンチームで投薬を継続し、また必要に応じて積極的に処方整理を行っています。一方で精神科医の不足等から精神科病棟は無期限の休床状態にあり、医療保護入院を要する症例や夜間帯の救急搬送については、当院ソーシャルワーカーや金沢大学附属病院の夜勤担当医を通じて早々に転院調整を行う体制となっています。児童思春期症例や摂食障害など専門性が高い症例についても、初期対応は行いますが通常は転院調整に繋がります。