チーム医療の取り組み
認知症サポートチーム
認知症の入院患者さんや高齢の入院患者さんが安全に安心して療養生活が送れるように、多職種によるチーム(認知症サポート医、精神科医、薬剤師、精神保健福祉士、作業療法士、認知症看護認定看護師)で協働しています。週1回のカンファレンスや複数でのラウンドにより環境調整や内服調整、早期離床やリハビリにより活動量を増やすなど生活リズムが整えられるよう担当医師や看護師に提案をします。また、認知症看護リンクナースが各部署におり、認知症看護認定看護師が中心となって認知症ケアについての教育や相談を行っています。
緩和ケアチーム
患者さんの疾患に伴う苦痛を緩和するために、緩和ケア科医師を中心に、回診を行っています。その他に、緩和ケア科医師、精神科医師、チームの看護師、薬剤師、医療相談員とともに、担当の医師や病棟・外来の看護師にも支援を行います。また、担当医師からの依頼の他に、がん看護リンクナースをはじめ、多職種の誰からでも依頼を受けられるようにしており、苦痛を抱える患者さんに対して、速やかに介入できるようにしています。
慢性腎臓病(CKD)サポートチーム
慢性腎臓病は現在の医療では完治させることができない疾患であり、患者さんが長い間付き合っていかなければならない疾患です。また、治療においては、薬物療法だけでなく食事療法や生活改善などの自己管理が重要となってきます。そのため、CKDサポート外来や教育入院では、看護師が生活について助言をしたり悩みを聞いたりし、栄養士が食事の改善点を一緒に考えたりして、療養をサポートしています。さらに、薬剤師が薬の注意点について、検査技師が検査値の見方について説明したり、リハビリスタッフが患者さんの身体機能に合わせた運動メニューを提案したり(入院のみと)、多職種で慢性腎臓病の方をサポートしていくよう努めています。
糖尿病チーム
当院での糖尿病診療は、生活習慣病センターにおいて、外来から入院に至るまで、医師だけでなく、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師などがチームを組み、特に日本糖尿病療養指導士の資格を持つスタッフが中心となり、それぞれの専門性を活かしながら行っています。糖尿病教育入院では、受動的に治療や検査を受けるだけでなく、ご自身の身体の状態を学習し、退院後の生活を見据えた自己管理の具体策を一緒に見つけていきます。また、糖尿病ラウンドでは、より安全に良好な療養を送れるような支援につなげるとともに、インスリンや糖尿病治療薬など糖尿病に関連したインシデントの早期発見および対策の検討を働きかけています。さらには、院内および地域への医療スタッフのスキルアップにも貢献しています。
排尿ケアチーム
入院中に膀胱留置カテーテルの管理やカテーテル抜去後に排尿自立支援が必要になった患者さんの排尿状態を評価し、入院から退院後まで排尿に関する支援を行っています。泌尿器科医師、専任看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師からなる専門知識を持ったチームメンバーと日頃患者さんの側で療養生活を支える病棟看護師とが協力して、生活環境を見据えたケアを提供します。
褥瘡予防対策チーム
入院患者さんを対象に皮膚・排泄ケア認定看護師、特定看護師(創傷関連)が中心となって皮膚科・形成外科の医師やコメディカルとともに病棟ラウンドを行い、褥瘡患者さんのケアや予防、担当医師や看護師へケアについて助言を行います。褥瘡リンクナースを各部署に任命することで、褥瘡発生時は速やかにチームに相談できるよう体制を整えています。また褥瘡予防に関するケアの確立や皮膚のケアに関する看護師への教育も行っています。
リエゾンチーム
入院されている患者様の精神症状(不安や抑うつ、せん妄や睡眠調整など)を和らげるために、精神科医、作業療法士、精神科看護認定看護師の3名がチームとして病棟へ出向き、担当医師や看護師、その他コメディカルと連携しながら対応を行います。患者様が安心安全な身体的治療を受けられるように薬剤調整を始め、担当医師や看護師に対して環境調整や関わり方についての相談、助言を行っています。
術後疼痛管理チーム
手術後の痛みの管理が不十分であると、術後合併症が増加したり入院期間が延長したりすることが示されています。当院では、術後の痛みに関する専門的な知識を有した麻酔科医・薬剤師・手術室看護師がチームを編成して、病室を回診しています。少しでも痛みが軽減するように疼痛状況を把握して、主治医や病棟看護師と連携して適切な介入を行っています。
栄養サポートチーム
低栄養や経口摂取困難な患者さんが低栄養にならないよう、栄養状態の改善に向けて多職種で話合い、診療科や看護師のサポートを行っているチームです。
栄養サポートリンクナースを各部署に配置し、速やかに栄養サポートチームの相談・助言を受けられるようにしています。
嚥下チーム
「脳疾患の後遺症や高齢化で嚥下機能が低下して経口摂取が困難になった患者さん、食物や唾液の誤嚥が原因で誤嚥性肺炎になってしまう患者さんのために少しでも嚥下機能を回復できるよう関わっています。チームメンバーは歯科医師、言語聴覚士、管理栄養士、薬剤師、摂食嚥下障害認定看護師です。患者さんの「お口から食べる」を擁護できるよう支援させていただいてます。