令和5年度 小松市民病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 435 131 131 152 270 500 740 1,707 1,517 445
当院は、南加賀医療圏における中核病院であり、災害拠点病院、がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院の指定を受けて、様々な年代の患者さんを受け入れています。
当院を令和5年度中に退院された患者さん(一般病棟DPC保険診療分)の年齢階級(10歳刻み)別内訳です。総数は6,028名で、平均年齢は65.7歳です。階級別では70歳代が28.3%で最も多く、次いで80歳代が25.2%、65歳以上の患者さんは全体の67.9%を占めています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 119 21.02 20.60 19.3% 84.1歳
050130xx9900x0 心不全 手術なし 他病院からの転院以外 90 15.64 17.38 10.0% 83.5歳
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等あり 87 2.67 4.26 0.0% 73.1歳
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等あり 72 10.67 8.75 8.3% 77.5歳
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし気管支鏡検査あり 66 2.18 2.98 0.0% 74.2歳
内科では、高齢者に多くみられる誤嚥性肺炎や心不全治療の患者さんが多く、平均在院日数が全国平均と比較して若干長い傾向にありますが、退院調整・退院支援や早期に多職種による指導やリハビリ開始などにも努めており、在院日数の短縮を目指しています。
また、狭心症などに対する緊急カテーテル治療を含めた、心臓(冠動脈)に対するカテーテル治療・検査の患者さんを最も多く診療しています。これらの患者さんの多くはクリニカルパスに基づいて治療計画をしており、在院日数は全国平均在院日数よりも短めとなっています。
次いで消化器系では胆管結石、胆管炎などで胆汁が流れる胆道にステントを入れる内視鏡的手術を行う患者さんが多いです。
次いで肺の悪性腫瘍の診断のため気管支鏡検査入院も多く、クリニカルパスに基づいて治療計画をしており、全国平均在院日数よりも短めとなっています。検査で採取されたがん細胞は遺伝子解析などの特性に基づいて患者さんに最善の治療を選択し提供しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く) 55 4.42 8.60 1.8% 1.5歳
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 31 4.42 5.96 0.0% 1.1歳
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 28 4.07 5.64 0.0% 4.3歳
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 23 5.61 6.07 4.4% 0.0歳
150070x1xx01xx 川崎病 ガンマグロブリンあり2歳未満 21 5.57 9.29 0.0% 0.6歳
南加賀医療圏の中核病院として、小児医療全般に対応しています。
かかりつけの先生からご紹介いただいた肺炎や気管支炎といった感染症はもちろんのこと、救急搬送で受診される緊急度の高い患者さんも積極的に受け入れています。また、院内で出生した低出生体重児のケアや新生児黄疸に対する光線療法など新生児疾患に関する入院治療も行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx そけいヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術あり 118 3.95 4.55 0.9% 71.2歳
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術あり副傷病なし 76 9.62 9.89 0.0% 73.3歳
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等あり副傷病なし 60 6.15 6.87 1.7% 66.0歳
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)等あり 49 4.98 5.29 0.0% 32.6歳
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 結腸切除術全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等あり 43 16.95 15.12 11.6% 74.1歳
外科では、消化器疾患、呼吸器疾患、甲状腺疾患、乳腺疾患、成人のそけいヘルニア、外傷など手術治療が必要な患者さんを多く診療しています。これらの患者さんの多くはクリニカルパスに基づいて治療計画をしており、在院日数は全国平均在院日数よりも短めとなっています。
また、悪性腫瘍では鏡視下による手術を多く行っており、術後化学療法が必要な患者さんは副作用対策を行いながら初回化学療法以外は原則、外来化学療法室で行っています。癌性疼痛など症状緩和が必要な場合には緩和ケア科と連携しながら治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり副傷病なし 39 10.31 9.88 25.6% 80.2歳
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) 手術なし副傷病なしJCS10未満 27 18.07 19.09 70.4% 77.4歳
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) 手術なしJCS10以上 26 19.35 22.61 65.4% 80.1歳
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし副傷病なし 23 8.78 8.38 34.8% 76.6歳
010230xx99x00x てんかん 手術なし副傷病なし 13 5.62 7.20 30.8% 67.5歳
脳神経外科では、頭部外傷、脳血管障害(主にくも膜下出血等の出血性疾患)、脳腫瘍などの患者さんを多く診療しています。
DPC名称別では、転倒などの後に見られる慢性硬膜下血腫で手術治療を行う患者さんを多く診療しています。平均年齢も80.2歳と高く、在院日数も全国平均と比較しやや長い傾向にあります。
また、非外傷性の脳内出血や脳梗塞等の脳血管障害の患者さんも多く、急性期治療終了後に「脳卒中地域連携パス」を用いた地域の医療機関と連携し、他院で継続治療(リハビリなど)を行う場合が多いため転院率は高いです。急性期治療終了後のリハビリテーションを継続して行うことでADL(日常生活自立度)やQOL(生活の質)を維持させることを目的としています。
※JCSとは入院時の意識レベルの状態のことで「JCS0=意識障害がない~JCS300=まったく動かない」状態を表わし、「JCS10=呼びかけで開眼」する状態です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術あり 68 29.62 25.50 76.5% 82.5歳
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし - - 19.34 - -
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり副傷病なし - - 4.76 - -
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし - - 19.27 - -
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術あり副傷病なし - - 5.67 - -
整形外科では、転倒による大腿骨骨折や腰椎骨折の高齢の患者さんを多く診療しています。これらの高齢の患者さんには合併症を持った方が多く、全身管理や術後のケアにより在院日数が長くなる傾向がありますが、地域の病院と連携をとり在院日数の短縮を図るよう努めています。
また、前腕の骨折、骨盤損傷などの外傷の患者さんを多く診療しています。
10例未満は、DPCコード・DPC名称のみ表示しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 17 9.18 9.29 0.0% 72.4歳
080010xxxx0xxx 膿皮症 10 12.20 12.88 0.0 66.2歳
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - 3.31 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 9.94 - -
080110xxxxx2xx 水疱症 ガンマグロブリンあり - - 23.65 - -
皮膚科では、ウイルスにより生じる帯状疱疹や四肢に細菌感染が生じる丹毒、蜂巣炎などの急性膿皮症の患者さんを多く診療しています。
10例未満は、DPCコード・DPC名称のみ表示しています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx02000x 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む) 鼻骨骨折整復固定術等あり副傷病なし 21 3.00 4.63 0.0% 24.7歳
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 20 2.05 2.82 0.0% 71.7歳
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等あり 15 7.13 7.22 6.7% 74.9歳
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚・皮下腫瘍摘出術(露出部)等あり - - 3.93 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く) 手術あり - - 4.28 - -
形成外科では、顔面損傷および鼻骨骨折、眼瞼下垂症、皮膚腫瘍などの手術治療が必要な患者さんを多く診療しています。
10例未満は、DPCコード・DPC名称のみ表示しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術経尿道的手術あり 64 6.44 6.85 1.6% 78.4歳
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺針生検あり 37 2.57 2.44 0.0% 76.0歳
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 37 2.00 2.43 0.0% 64.7歳
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 23 15.65 13.52 8.7% 72.0歳
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等あり 17 7.65 7.75 0.0% 76.0歳
泌尿器科で、最も多い入院症例は、膀胱悪性腫瘍に対して行われる経尿道的内視鏡的手術です。膀胱悪性腫瘍は再発も多く、同手術が繰り返し必要となる場合があります。また、進行した腫瘍に対して行われる抗がん剤治療のための患者さんも多いです。
次いで、前立腺がんの診断のための検査(生検)入院を多く診療しています。がんの確定診断後は、組織型やステージにより治療内容を患者さんと相談し、薬物療法、手術療法、放射線療法などを決定していきます。
次いで、尿管結石等に対する体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)の患者さんとなっています。患者さんの多くはクリニカルパスに基づいて1泊2日の治療計画をしており、在院日数は全国平均在院日数よりも短めとなっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 127 2.01 2.54 0.0% 75.5歳
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 23 3.78 4.46 4.4% 75.8歳
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.17 - -
020370xx97x0xx 視神経の疾患 手術あり - - 13.86 - -
020370xx99x0xx 視神経の疾患 手術なし - - 10.49 - -
眼科では、最も多い入院症例は老人性白内障に手術を行う患者さんとなっています。患者さんの多くはクリニカルパスに基づいて片眼では1泊2日、両眼では3泊4日の入院治療計画をしており、在院日数は全国平均在院日数と同様となっています。
他にも、眼底疾患(糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞など)に対しステロイド注射、抗VEGF薬(血管内皮増殖因子阻害薬)の硝子体内注射などの治療を行っています。
10例未満は、DPCコード・DPC名称のみ表示しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 25 5.36 7.53 0.0% 19.1歳
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 21 5.76 4.73 0.0% 67.8歳
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 18 4.61 5.51 0.0% 40.9歳
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 18 4.67 6.02 0.0% 54.6歳
030280xxxxxxxx 声帯ポリープ、結節 11 3.73 4.28 0.0% 55.6歳
耳鼻咽喉科では、扁桃周囲炎、めまい症、慢性副鼻腔炎、突発性難聴、顔面神経障害などの入院治療が必要な患者さんを多く診療しています。
DPC名称別では、慢性扁桃炎や慢性副鼻腔炎、声帯ポリープなどに対する手術治療が多く、これらはクリニカルパスに基づいて入院治療計画を行っており、在院日数は全国平均在院日数よりも短めとなっています。また、前庭機能障害(末梢性めまい症、メニエール病など)を多く診療しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(膣式を含む)腹腔鏡によるもの等あり 40 5.45 6.00 0.0% 44.4歳
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下膣式子宮全摘術等あり 27 5.33 5.93 0.0% 44.1歳
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等あり 17 8.53 9.23 0.0% 45.4歳
120100xx01xxxx 子宮内膜症 子宮全摘術等あり 12 5.25 7.03 0.0% 44.6歳
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等あり 12 8.83 9.34 0.0% 35.0歳
産婦人科では、産科・婦人科領域全般を対象疾患として診療にあたり、特に婦人科領域では他院からの紹介患者で手術治療が必要な悪性・良性疾患について多く受け入れています。
卵巣の良性腫瘍、子宮筋腫や子宮内膜症の手術療法を行う患者さんを多く診療しており、腹腔鏡下手術などの低侵襲手術を積極的に採用し、早期に退院できるように努めています。これらの患者さんの多くはクリニカルパスに基づいて治療計画をしており、在院日数は全国平均在院日数よりも短めとなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 42 - - 13 - 16 1 8
大腸癌 29 24 29 22 11 25 1 8
乳癌 29 11 - - - - 1 8
肺癌 73 34 31 39 56 76 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
・期間中に同じ患者さんが入退院を繰り返しても1件と数えます。
・ステージが0期(上皮内がん)のものは集計対象から除外します。
・病期(ステージ)は数字が大きいほど「進行している状態」であると表されます。
・当院において、がんの診断、初回治療を行った場合を「初発」として病期分類ごとに集計し、初回治療以降の継続治療を行った場合を「再発」として集計しています。
・患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で表記しています。

【解説】
 当院では、肺がんの患者数が最も多く、呼吸器内科では肺がんの気管支鏡検査による検査目的および抗がん剤治療目的の患者さんを多く診療しています。呼吸器外科では胸腔鏡下肺切除術および術後の補助化学療法、再発時の化学療法を多く診療しています。なお、肺がんで病期分類に「不明」が多いのは肺がんを疑う検査入院で病理結果が出る前に退院し病期分類を決定されていない場合を含んでいるからです。
次いで大腸がん、胃がん、乳がんの患者となっています。
 当院は、南加賀医療圏のがん診療拠点病院としての役割を担っており、内視鏡的治療、腹腔鏡的治療、外科手術、抗がん剤治療、放射線治療など患者さんに合わせた治療を選択し、総合的な医療を提供しています。
また、緩和ケア病棟(現在都合により、緩和ケア病棟は閉鎖しており、一般病棟内に緩和ケアユニットを設置)を有しており、がんと診断された時から治療が終了した後と、全ての時期を通して患者さんの苦痛を和らげる緩和ケアの体制を整えています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 70 15.21 75.7歳
重症 41 18.12 83.2歳
超重症 - - -
不明 - - -
【定義】
・この集計での成人とは18歳以上の患者さんを指し、市中肺炎とは、普段の生活の中で罹患した肺炎を指します。
・令和5年度に退院された患者さんのうち、入院契機傷病名および医療資源を最も投入した傷病名が『肺炎・急性気管支炎(DPCコード040080)』さらにその中でICD-10コードがJ13~J18であるものが対象です。
・重症度は市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPスコア)により分類しています。
・患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で表記しています。

【解説】
 成人の肺炎患者さんについて重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。
肺炎は年齢などいくつかの指標で軽症から超重症の4段階に分けられ、原則中等度以上が入院の対象です。
高齢者では、重症でありながら症状がはっきりしないことが多いです。迅速な診断と適切な抗菌薬治療が重要です。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 175 21.5 78.9歳 56.6%
その他 20 18.3 71.9歳 60.0%
【定義】
・令和5年度に退院された患者さんのうち、最も医療資源を投入した傷病名のICD-10がI63$である症例を集計しています。
・24時間以内の死亡は集計の対象外です。
・ICD-10とは「国際疾病分類・第10回修正版」のことで、疾病および関連保健問題の国際疾病統計分類で、WHOにより公表された分類で、死因や疾病統計、診療記録の管理などに活用されます。また、DPC支払い制度では、支払いコードを決定する病名としても利用されています。

【解説】
 当院では、超急性期血栓溶解療法(tPA静注療法)には24時間365日対応しています。
主に発症から3日以内の急性期脳梗塞の診断、治療を担う急性期病院として迅速に治療を開始することで、早期離床につながり、早期にリハビリテーションを開始することができます。急性期治療後はリハビリ継続の目的で回復期リハビリテーション病院へ転院される方が多くおられます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 70 0.97 2.01 0.0% 73.3歳
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 41 2.71 13.90 14.6% 79.3歳
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 39 0.00 17.38 7.7% 73.9歳
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 38 23.32 17.53 60.5% 79.5歳
K654 内視鏡的消化管止血術 35 2.69 13.54 11.4% 76.9歳
消化器内科では、消化管の内視鏡的手術で胆管がん、膵臓がん、総胆管結石に併発する閉塞性黄疸に対するステント留置術や食道、胃、十二指腸の早期がんに対する粘膜切除術や出血部の止血術を多く行っています。
また、循環器内科では、急性心筋梗塞または狭心症に対して、心臓の血管(冠動脈)が詰まっているか、細くなっている部分にステントという金属を入れて血液の流れを良くするカテーテル手術を多く行っています。


外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(そけいヘルニア) 112 0.02 3.02 0.9% 71.0歳
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 79 0.82 4.24 1.3% 64.5歳
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 49 0.31 3.67 0.0% 32.6歳
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 44 2.14 15.52 9.1% 73.4歳
K514-23 腹腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 36 1.00 8.58 0.0% 72.2歳
腹腔鏡下によるヘルニア手術や胆嚢摘出術、虫垂切除術を多く行っており、在院日数は5日以内です。その他に悪性腫瘍では肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなどの手術も多く行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 38 0.68 9.34 29.0% 80.6歳
K178-4 経皮的脳血栓回収術 12 3.75 27.92 58.3% 80.6歳
K1781 脳血管内手術(1箇所) 11 1.27 31.27 63.6% 70.7歳
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
慢性硬膜下血腫の治療には外科的手術が推奨されており、当院でも多く行っています。
急性期脳梗塞では一刻も早く閉塞血管の再開通を得ることが理想的であり、本邦を含めて世界的には、血栓溶解薬による静注血栓溶解療法(tPA静注療法)が第一選択ですが、同療法が無効な場合や血栓溶解薬の投与が困難な場合には、経皮的血栓回収術(カテーテル治療)が考慮され、当院では脳血管内治療専門医により多くの手術が行われています。また、くも膜下出血に対する血管内治療も多く行っています。
なお、順位3位以下は患者数が10例未満なので、Kコード・術式名称のみ表示しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 52 4.33 21.83 67.3% 81.1歳
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 26 4.62 26.27 80.8% 82.2歳
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 13 3.46 14.38 7.7% 69.0歳
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿) - - - - -
K0452 骨折経皮的鋼線刺入固定術(前腕、下腿) - - - - -
高齢者に多い大腿骨骨折や外傷による骨折手術を多く行っています。高齢者の手術では術後の経過観察や寝たきり予防のため、回復期リハビリテーション病院への転院率も高くなっています。
なお、順位3位以下は患者数が10例未満なので、Kコード・術式名称のみ表示しています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K333 鼻骨骨折整復固定術 21 0.95 1.00 0.0% 23.9歳
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 20 0.00 1.05 0.0% 71.7歳
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 10 0.10 6.00 10.0% 78.3歳
K084 四肢切断術(上腕、前腕、手、大腿、下腿、足) - - - - -
K0151 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(25㎠未満) - - - - -
入院手術では、外傷などによる鼻骨骨折に対する整復術を多く行っています。次いで、眼瞼下垂に対する手術を行っています。また、皮膚の悪性皮膚腫瘍切除術や良性の皮下腫瘍切除術を多く行っています。通常の皮膚切開縫合や骨折治療だけでなく、特殊な切開法や皮膚移植、筋膜移植、骨移植などの技術を用いて機能だけでなく形態的にも患者さんに満足いただけることを目指しております。
なお、順位3位以下は患者数が10例未満なので、Kコード・術式名称のみ表示しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ィ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 66 1.52 5.05 0.0% 78.9歳
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 41 1.22 2.07 2.4% 66.3歳
K841-5 経尿道的前立腺核出術 16 0.94 5.69 0.0% 77.3歳
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 13 1.46 10.38 0.0% 68.5歳
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 11 2.00 7.64 0.0% 72.5歳
膀胱悪性腫瘍に対し尿道から内視鏡を挿入し腫瘍を切除する手術が最も多く行われています。次いで、尿管結石に対する結石破砕術が多く行われています。通常は1泊2日の入院で破砕室にてレントゲンで結石を確認しながら衝撃波をあてて破砕する(麻酔は不要)手術です。また、内視鏡下で前立腺を観察しながら前立腺肥大症の部分を核出する手術が多いです。他に、尿管狭窄や水腎症に対して行う経尿道的尿管ステント留置術や腎がんに対して行う腹腔鏡下人悪性腫瘍手術の順となっています。手術の低侵襲化が進んでおり、入院日数は短縮傾向にあります。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ㇿ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 150 0.27 1.01 0.7% 75.6歳
K214 霰粒腫摘出術 - - - - -
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) - - - - -
K270 虹彩光凝固術 - - - - -
白内障の手術を多数行っています。手術は入院(片眼1泊2日、両眼3泊4日)で行っており、超音波によって水晶体を細かく破砕(乳化)して吸引する「超音波乳化吸引手術」を行っています。
なお、順位2位以下は患者数が10例未満なので、Kコード・術式名称のみ表示しています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 25 1.00 3.48 0.0% 19.8歳
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 14 0.93 2.71 0.0% 52.4歳
K3892 声帯ポリープ切除術(直達喉頭鏡によるもの又はファイバースコープによるもの) 11 1.00 1.73 0.0% 55.6歳
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) - - - - -
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) - - - - -
扁桃疾患(扁桃摘出・アデノイド切除術)に対する手術が最も多く行われていました。次いで慢性副鼻腔炎に対して行う内視鏡下副鼻腔的手術や声帯ポリープに対する手術が行われています。
なお、順位3位以下は患者数が10例未満なので、Kコード・術式名称のみ表示しています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 44 0.95 3.45 0.0% 44.5歳
K877-2 腹腔鏡下膣式子宮全摘術 37 1.00 3.08 0.0% 46.9歳
K877 子宮全摘術 15 1.00 6.60 0.0% 48.3歳
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 15 1.93 7.07 0.0% 33.7歳
K879 子宮悪性腫瘍手術 - - - - -
子宮や卵巣の良性・悪性腫瘍の手術を多く行っています。手術は低侵襲手術として腹腔鏡下手術を積極的に採用しており、早期の退院に努めています。
また、産科領域では、ハイリスク妊婦や合併症を有する妊婦に対する分娩や帝王切開による分娩も多く行っています。
なお、順位4位以下は患者数が10例未満なので、Kコード・術式名称のみ表示しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 24 0.38%
異なる 15 0.25%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 66 1.09%
異なる - -
■定義
・令和5年度に一般病棟を退院された患者さんが対象です。
・医科保険適用者を対象とするため、歯科治療のため入院された患者さんは含みません。また、24時間以内死亡の患者は含みません。
・この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなり得ないものの少しでも改善すべきものとして播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置の合併症について、入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病名)の同一性の有無を区分して対象患者数と発症率を示したものです。
・発生率は、退院患者総数(6,028名)のうち該当するDPCで入院費の請求となった患者さんの割合です。
・患者数が10例未満の場合は、-(ハイフン)で表記しています。

【播種性血管内凝固症候群(DIC)とは】
 本来出血箇所のみで生じるべき血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こる症候群です。早期診断と早期治療が求められる重篤な状態です。
入院後に発症している場合が多く、感染症が重症化するケースや基礎疾患が影響していることが多いと考えられます。

【敗血症とは】
 病原体が全身へ波及したもので非常に重篤な状態です。無治療ではショック、DIC、多臓器不全などから早晩死に至る疾患です。
高齢の患者さんが肺炎や腎盂腎炎などの感染症を重篤化し発症する症例が多いです。
また、術後や悪性腫瘍で化学療法によって免疫力が低下して合併する場合もあります。
治療には、人工呼吸管理、持続緩徐式血液濾過、吸着式血液浄化法などの集中治療を必要とすることがあり、DPCでは高額な点数が設定されています。

【真菌症とは】
 真菌(カビ)が種々の臓器に定着することに起因する感染症です。

【手術・処置などの合併症とは】
 手術や処置などにより一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられますが、合併症はどのような術式でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。
当院では、透析シャント狭窄による手術のための入院が多いです。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
737 701 95.12%
【定義】
・(分母)リスクレベルが「中」以上の手術は、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改定版)」(日本循環器学会等)に準じて抽出
・(分子)肺血栓塞栓症の予防対策の実施は、肺血栓塞栓症予防管理料の算定あるいは抗凝固療法の薬剤が用いられた患者を抽出

【解説】
 肺血栓塞栓症とは、エコノミークラス症候群ともいわれ、下肢静脈に血栓(血の固まり)ができ、それが血液の流れに乗って肺の血管まで運ばれ、つまってしまう(塞栓)疾患です。この疾患は術後の安静や長期臥床により血液の巡りが悪くなり発症することが多いため、周術期の肺血栓塞栓症の予防対策の実施は、肺血栓塞栓症の発生を下げることにつながります。
 予防には、抗凝固剤の注射や内服、早期離床や弾性ストッキングの着用など適切な対策が重要になります。
 当院では患者に対し手術前より足首や足の指の運動の指導や手術後の早期歩行開始の必要性について指導をしており、今後も予防対策を継続していきたいです。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1,783 1,390 77.95%
【解説】
 広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、望ましいプラクティス(最適な対処方法)となります。また、血液培養は1セットのみの場合は偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上を行うことが推奨されています。
 当院では毎月開催される院内感染予防対策委員会で血液培養の2セット実施率以外に血液培養陽性率、コンタミネーション率も報告され、感染症診療の質の向上に努めています。なお、15歳未満に対しては、採血に係る身体的な負担を考慮し、1セット採取としているため、2セット実施率が低くなっています。15歳以上の2セット実施率は94.14%となっています。今後も2セット採取率や必要性などを職員への啓発を継続していきたいです。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
553 456 82.46%
【解説】
 近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援(AST)チームを組織するなど、抗菌薬適正使用を推奨する取り組みが求められています。抗菌薬適正使用のカギを握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。
当院では、ASTラウンドを実施し、抗菌薬使用前の培養提出がない医師、診療科を把握することで数値の改善に取り組んでいます。今後は個別に指導を継続することで実施率を向上させていきたいです。
更新履歴
2024.09.30
令和5年度病院指標を公開しました。
2024.10.1
データの誤りを修正しました。